『浅倉秋成』さんの『教室が、ひとりになるまで』を読みましたので感想をまとめたいと思います
前半ネタバレなし、最後に少しネタバレあり感想を載せました
・まだ読んでいない方は読むかどうかの判断材料の参考に
・もう読み終わった方は再度振り返りや感想の共有に
していただけたら幸いです!
ネタバレの部分は【ここからネタバレ】とわかるようにしてますので
未読の方は途中まで読んでいただけたらと思います
私自身のプロフィールはこちら!「寝る前のミステリー」が習慣です!
読もうと思った理由
浅倉秋成さんの作品『6人の嘘つきな大学生』にハマってしまい同作家の作品を読みたいと思いました
本書は、浅倉秋成さんの代表作ということで読んでみました(本格ミステリ大賞&日本推理作家協会賞Wノミネート!)

浅倉秋成さんは1989年生まれということで世代も同じなので応援しています!
あらすじ概要
本書のあらすじです
私立北楓高校で起きた生徒の連続自殺。ひとりは学校のトイレで首を吊り、ふたりは校舎から飛び降りた。「私は教室で大きな声を出しすぎました。調律される必要があります」という、同じ文言の遺書を認めて。垣内友弘にとって三人の死は疑いようもなく自殺―のはずだった。白瀬美月の言葉を聞くまでは。「三人とも自殺なんかじゃない。みんなあいつに殺されたの」最高のクラスで、何故『自殺』は起きたのか。『犯人』の目的は何なのか。伏線の狙撃手が贈る、慟哭の本格青春ミステリ。
Google booksより
主人公は垣内 友弘(かきうちともひろ)さん
高校2年生の普通の男子高校生
どちらかというとクラスでは静かな方に属する主人公が、教室で発生した3人の連続自殺について解き明かしていきます
自殺をきっかけに引きこもりになってしまった白瀬美月さんが同じマンションに住んでおり
学校に来るように説得する過程で、この連続自殺に巻き込まれていきます

普通は連続で自殺が起きるなんて考えづらいですよね、でも殺人の証拠は一切なし
ではなぜ起きたのか、自殺の原因を解き明かします!
感想(ネタバレなし)
舞台は高校生のある教室
舞台は高校2年生のクラスメイトたち
一部の生徒が最高の学生生活にしようと色々なレクリエーションを企画します
- のど自慢大会
- サバゲー大会
- 仮装パーティ
- など
クラス全員参加で開催されるイベントでした
端から聞くと何か楽しそうなイベントですが、本当に参加したい人はどのくらいいたのか
物語が進む中でこのあたりの微妙な人間関係がうまく描かれていきます
なぜ自殺が続いたのか、本当に自殺なのか
自殺していく3人はクラスの人気者
- 一番目:小早川燈花 綺麗な顔立ちでクラスの中心人物
- 二番目:村嶋竜也 元バスケ部のエース 同じくクラスの中心人物
- 三番目:高井健友 クラスのムードメーカー
なぜ、人気者なのに自殺をしないといけないのでしょうか
人気者ならではの悩みがあるのか、誰かから仕組まれたのか
クラスでいじめられていた人物が自殺をしてしまうというストーリーは聞いたことがありますが人気者が死なないといけなかったのはなぜなのか
思考を巡らせます
自分はどういうキャラだったか思いを馳せる
本書を読んでいると、高校時代どんな学生だったかな、って思いを馳せると思います
ミステリーなので、推理もしていきますがその中で一体自分ならどうしていたのだろう、と考えるきっかけも得られます
今、学生の方ももう卒業した方も楽しめる作品だと思います
ただ割と歳が離れてるともう忘れてるな、という方もいると思います
青春時代の繊細な人間関係を描いた作品だと思います!

私は高校時代は部活ばかりであまりイベントらしいことをしなかったのでなんか羨ましいな、とも思いました!笑
ネタバレなしまとめ
評価(著者の身勝手な評価です!)
青春時代の気持ちの動きにフォーカスしたミステリーです
どちらかというと、高校生や大学生(つい最近まで高校生だった)などの若い方々が楽しめる作品かと思いました
ミステリーかつストーリーものを読みたいという人が楽しめるかな、と思います
誠に勝手ですが星2つの評価です
★★☆☆☆

ストーリーものも好きですが、殺人や密室、最後にびっくりするどんでん返しのような話が好きなので星2です!
※ここからネタバレ(まだ読んでいない方は注意!)



最後にネタバレとして本書のトリックと感想を少しだけ記載したいと思います
トリック
トリックは本校のみで使える4つの特殊能力を駆使したものでした
四番目の能力が強力でこれを持ったものが犯人でした!
- 嘘を見破れる能力
- 人の好き嫌いがわかる能力
- 傷を癒すことができる能力
- 後述
特殊能力には発動条件があり、能力と合わせてバレると失効してしまうものです
代々、本校で受け継がれてきたもので、学校内でのみしか使えません
登場人物の八重樫の『人の好き嫌いがわかる能力』で、檀優里がクラス全員をめちゃくちゃ嫌っていることがわかり、はめちゃくちゃ怪しいとわかります
物語が進む中で、檀優里が犯人とわかりますがその能力は
『幻影を見せる能力』
この能力により、主人公も自分が幻影にかけられてしまい
もう少しで同じく自殺してしまいそうになったところで能力と発動条件をつき止めます
それぞれの能力の所持者は
- 嘘を見破れる能力 → 垣内友弘
- 人の好き嫌いがわかる能力 → 八重樫卓
- 傷を癒すことができる能力 → 白瀬美月
- 幻影を見せる能力 →檀優里
連続自殺のトリックは
・幻影を見せる能力を使用し、ベランダや廊下の端を少し伸ばす
・少し伸ばしたところに親友が悩んでいる様子などを見せる
・全く気づかず近づいていってしまい落下する
というものでした
なので、連続自殺はいずれも飛び降り自殺です
最初の小早川燈花の首吊り自殺だけは本物
最初に自殺した小早川燈花の親友であった檀優里が犯人でした
動機は、一人にして欲しかった、というもの

これが教室が、ひとりになるまで、というタイトルと繋がりますね
ネタバレあり感想
簡単にいうと、陽キャと陰キャの戦いなのだろうかな、と思いました
・クラスみんなで盛り上がって最高のクラスにしたい陽キャと
・かまわないでほしい自分の世界に浸りたい陰キャ
私はどちらかというと、陰キャ側ですが、少し混ざりたいなという中間の存在です笑
この同調圧力の中で、ほっておいてほしい側の人間が事件を起こすというものでした
犯人も、多分、何もなければ我慢していたのかもしれないけど
少しでも自分の時間を無駄にしたくなくて事件を起こしました
小早川燈花の手紙の最後
『さようなら。もう2度と会いたくない、偽物の友達たち。』
可愛く生まれたためにつるみたくもないクラスの中心人物と、つるまざるを得なくなった
彼女の自殺の真相でした
感想としては、正直なところ特殊能力の設定と特殊な環境でないと起こせない事件と
ちょっと規模に対して、動機としては弱いのかな・・・
と思ってしまいました
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